Q、ピアノの大きさは値段と設置場所のスペースで決めていいのですか?
A、お答えします
ピアノのサイズと演奏者の体格について
一般的にピアノはモデルが大きくなれば値段も高くなり、いいピアノだといわれています。メーカーのホームページでも、ピアノのモデル別にわかりやすい説明がされていません。予算とスペースでピアノの大きさを決めていいのでしょうか?ここでは新たな視点からピアノ選びを提案いたします。
まず覚えたい判断の基準
音色
ピアノのサイズが大きくなると、低音の弦の長さに自由な弦長を与えやすくなるのでベースの音量がまします。また、弦長が全体的に長くなり、音が伸び、バランスのいいピアノなら音の深みもあります。
ピアノのサイズが小さくなると、
反面メロディーラインの音域が鳴るように感じる傾向があります。倍音を支えるベース、中音の弦長は長くとれませんので、音の伸びが限られてしまいます。
大きいピアノ |
小さいピアノ |
ベースがなる、音が伸びる |
高い音域が鳴るように感じる、
音が伸びない |
表現力
表現力 ピアニッシモからフォルテッシモに変化するにつれて、音色も力強くなること
ピアノのサイズが大きくなると表現力が落ちます。意外かもしれませんが事実です。イメージするなら、アンプとスピーカーのバランスに例えられます。ピアノのメカニックがアンプなら、スピーカーはピアノのボディです。
ピアノが2倍の長さになってもピアノのメカニックは2倍の大きさにはなりません。
よって大きいピアノの場合は小さなアンプで大きなスピーカーを鳴らすようなバランスになります。
表現力をもたせるには入力を大きくするしかありません。力を入れるという意味でなく、体格の大きな人なら表現力をもたせられるということです。
大きいピアノ |
小さいピアノ |
表現力がない
フォルテッシモで音が割れにくい |
表現力がある
フォルテッシモで音が割れやすい |
タッチ
ピアノのサイズが大きくなると鍵盤の長さが長くなり鍵盤を押し下げる間の瞬間にタッチのコントロールが容易になります。
反面、鍵盤が長くなるということは鍵盤がしなるということで、指からのエネルギーは逃げることになり表現力が落ちます。
ピアノのサイズが小さくなるとまるでスイッチのようなコントロールしにくいタッチになります。しかし鍵盤が短い分鍵盤がしならずに剛性感のあるしっかりとしたタッチになり、表現力は保てます。
大きいピアノ |
小さいピアノ |
鍵盤が長い
鍵盤がしなる
指の力が逃げる
ふところが深いタッチ
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鍵盤が短い
鍵盤がしなりにくい
指の力が逃げにくい
ふところが浅いタッチ |
ふところが深い、浅い
鍵盤の深さではなく、どちらかというとタッチのコシみたいなもの、てこの原理イメージとしては長いシーソーと短いシーソー
骨格の太さ、脂肪の付き方、体格の大きさ、密度で音色は変わります
多分わかる方は多いと思います。
一般的な世間の評価ですと、
日本人に合っているバランスと取れたピアノは3型力強い演奏、技術に長けた方は5型、設計に無理がないのは2型以上、6型より大きくなりますと表現力は落ちます。コンサートピアノは別格な存在です。
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