
Q、アフターケア、メンテナンスについて維持費を抑える方法はありますか?
A、お答えします。
維持費をおさえる
1、ピアノ内部の空気を入れ替える
ピアノの内部に新鮮な空気を入れましょう。カビ、湿気のこもりを防ぎます。
ただ、ピアノの屋根をあけるだけです。
こもった空気は家を傷めるように、ピアノも傷めます。
空気のこもったお部屋がカビ臭くなることは想像できます。
それと同じで調律師に乾燥剤を入れていただくだけでなく、
天気のいい日にお部屋の空気を入れ替えるのといっしょにピアノの屋根も開けましょう。
ピアノを開けてカビの臭いがしたり、ゴキブリが巣を作っていたり
ピアノを締め切っているといいことはありません。
私がおうかがいさせていただく時はしっかり掃除させていただきます。
2、調律前にお部屋とピアノの温度と湿度を管理する。
調律師に調律をお願いするときは、調律2時間前からピアノの屋根を開けて、
2時間前から室内温度も20度から25度近くに、湿度を50パーセントから60パーセントに保ち、
年間の平均温度で調律をしてもらいましょう。調律が安定します。
ピアノは木と鉄、フェルトでできていますので、湿気、温度に左右されます。
湿度は木を膨張、収縮させ、1ミリ以下の精度を求めるタッチに影響をあたえます。
雨の日はピアノが鳴らなくなり、乾燥している日はピアノから雑音がする
これはピアノの部品が湿度の影響を受けているためです。
また、長期間のお部屋の湿度の高さはピアノの回転部品の動きを悪くさせて、
ピアノに不具合をもたらせます。
温度は鉄を膨張、伸縮させて調律の狂いをもたらします。
具体的にいいますと、37A(低音の方から数えて37番目のラの鍵盤)は
5℃温度が変わると、0・5〜1ヘルツ違ってきます。
しかも高音側と低音側は中音ほど影響は受けません。
よって温度変化は調律の音の高さを狂わせるだけでなく、和音のバランスもくずします。
もし、全ての音が同じように変化すれば、音程はさがっても和音は聞けるはずです。
調律時の温度 |
夏場30℃ |
冬場10℃ |
調律の状態の変化 |
10℃ |
温度変化20℃ |
温度変化0℃ |
夏場に調律が激しく狂う |
20℃ |
温度変化10℃ |
温度変化10℃ |
夏場冬場とも調律が狂う |
30℃ |
温度変化0℃ |
温度変化20℃ |
冬場に調律が激しく狂う |
3、ピアノを弾かなくなってしまったら2年に一回の調律にする。
製造時から10年以上経ったピアノは、ピアノを弾かない場合2年に1回の調律でもかまいません、
(中古ピアノを購入したばかりの方、ピアノを移動した方は、
たとえピアノを弾かなくても2回ほど定期の調律をおすすめします)
2年に一度の場合は調律師に内部の点検、掃除をお願いしましょう。
虫食い、湿気などの早期発見になります。そして、ピアノの状態を教えていただきましょう。
4、防虫剤は自分で用意して、乾燥剤も本当に必要かどうかたしかめる
これは依頼されている調律師さんにお聞きください。

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